野草や園芸種の花が咲きました
今春、花の開花が遅れ気味となっていましたが、初夏の6月頃からこのところの夏の日差しによって、山里に咲く花が多彩に見られるようになりました。
雨と太陽と土の恩恵でしょうか…。
長谷アルプスフォトギャラリーの駐車場周りに咲く花を紹介します。
駐車場を区切る生垣の林床には、ヒメマツバギクの鮮やかな紅色の花が満開です。
花びらは細く整然と折り目正しい円形を保ちます。
まずは群落を望遠レンズで切り取りました。

群落を斜め上から捉えたので、ピントの合う範囲は狭く、画像はある一部しかシャープに描写できません。
しかし、ここでは競い咲く様相を表現したいので、すべてにピントが合うよりも下半分の花をシャープに、上半分はピントから外しています。
次に、数本を上から下へカメラを向けて撮影しました。

数本の花に対し、レンズの光軸を直角に向けたことで、花全体にピントがあっています。
このような狙いは、被写界深度(ピントの合う範囲)が狭くてもシャープな画像が得られるメリットが生じます。
さらにマクロレンズ(花にかなり接近して撮影できる特殊のレンズ)をカメラに装着し、
一本の花の中心をクローズアップしました。

肉眼ではなかなか見られない、カメラならではの世界が見られます。
この場合もピントが合うように、またさらに面白い写真が創れるように、上から直角にレンズを向けています。
マクロレンズは被写界深度が極端に狭いので、フォーカスリングを回してピントを合わせたり、オートフォーカスでピントを合わせたりせずに、カメラを花からわずかに離したり、近づけたりして、ピントを合わせます。
風でほんの少し花が揺れてもピントは外れます。
わずかに1ミリの距離の差異がピントに大きく影響を及ぼします。
花を横から目線で捉える場合は、さらに被写界深度は狭く、全体にピントを合わせるのは構造上無理なので、ごく一部にピントを合わせます。

マクロレンズの世界は、直径数ミリの蕾を捉えても面白い写真が創れます。

マクロの世界をもうひとつ紹介しましょう。
駐車場北側の生垣、ヒイラギの葉を数枚捉えてみました。

花のマクロと同様、同系色による表現を生かしつつ、命ある形を強調しました。
自然界に存在する植物は、ひとつとして同じものはありません。
種によって様々…。
同じ種でも枝先によって、あるいは太陽の射し込む角度や風の影響、様々な条件で形状が異なります。
こちらも被写界深度を稼ぐために上からレンズを下に向けています。
最近めっきり目にすることが少なくなったネジバナが駐車場の芝生に咲きました。
花の形態は、直立する茎に捩れながら上へと咲くピンク色の小さな花が幾つも着きます。
その特徴を最大に生かして撮影しています。
1枚目は、緑色の芝生を背景に、花が浮き立つようにカメラアングルを設定しました。

2枚目はネジバナの背景を、ピンク色のヒメマツバギク8本ほどをボカして同一画面に捉えています。

このときは画面の中が邪魔にならない程度に、ヒメマツバギクを配置することがコツです。
このような場合は、ネジバナとヒメマツバギクの距離が離れていた方が、ボケ味を醸し出すことが有利でしょう。
さらにレンズの絞り(被写界深度を調整する機構)を開放(数字の少ない方)に設定した方がボケの効果は強くなります。
今回は、レンズを下へ向ける被写体を紹介してみました。
最後の1枚は、レンズを上に向けた写真です。

モミジの一枝を、太陽光線に透かせるように、青空を泳ぐ雲をパックに構図を決めています。
こちらは印象的な数枚の葉にピントを合わせ、後の葉はピントから外しています。
直線的な枝とモミジ独特の葉の形を、やわらかな雲をパックに強調させ、フォトジェニックな瑞々しさを表現しようと試みた1枚です。
このように写真は、家族の記念写真のように成長やイベントなどの記録ばかりか、
撮影する作者の心を反映させる作品へと昇華させることも可能なのです。
今回紹介させていただきました写真は、作品とはほど遠い存在であることは、いうまでもありません。
けれども写真とはそういう力を秘めた媒体であることを、知ってほしいとおもいます。
この夏、お気に入りのカメラを片手に、あなたも写真を創ってみませんか。
長谷アルプスフォトギャラリーからの提案でした。
向暑の折、皆様にはぜひご自愛ください。
今春、花の開花が遅れ気味となっていましたが、初夏の6月頃からこのところの夏の日差しによって、山里に咲く花が多彩に見られるようになりました。
雨と太陽と土の恩恵でしょうか…。
長谷アルプスフォトギャラリーの駐車場周りに咲く花を紹介します。
駐車場を区切る生垣の林床には、ヒメマツバギクの鮮やかな紅色の花が満開です。
花びらは細く整然と折り目正しい円形を保ちます。
まずは群落を望遠レンズで切り取りました。

群落を斜め上から捉えたので、ピントの合う範囲は狭く、画像はある一部しかシャープに描写できません。
しかし、ここでは競い咲く様相を表現したいので、すべてにピントが合うよりも下半分の花をシャープに、上半分はピントから外しています。
次に、数本を上から下へカメラを向けて撮影しました。

数本の花に対し、レンズの光軸を直角に向けたことで、花全体にピントがあっています。
このような狙いは、被写界深度(ピントの合う範囲)が狭くてもシャープな画像が得られるメリットが生じます。
さらにマクロレンズ(花にかなり接近して撮影できる特殊のレンズ)をカメラに装着し、
一本の花の中心をクローズアップしました。

肉眼ではなかなか見られない、カメラならではの世界が見られます。
この場合もピントが合うように、またさらに面白い写真が創れるように、上から直角にレンズを向けています。
マクロレンズは被写界深度が極端に狭いので、フォーカスリングを回してピントを合わせたり、オートフォーカスでピントを合わせたりせずに、カメラを花からわずかに離したり、近づけたりして、ピントを合わせます。
風でほんの少し花が揺れてもピントは外れます。
わずかに1ミリの距離の差異がピントに大きく影響を及ぼします。
花を横から目線で捉える場合は、さらに被写界深度は狭く、全体にピントを合わせるのは構造上無理なので、ごく一部にピントを合わせます。

マクロレンズの世界は、直径数ミリの蕾を捉えても面白い写真が創れます。

マクロの世界をもうひとつ紹介しましょう。
駐車場北側の生垣、ヒイラギの葉を数枚捉えてみました。

花のマクロと同様、同系色による表現を生かしつつ、命ある形を強調しました。
自然界に存在する植物は、ひとつとして同じものはありません。
種によって様々…。
同じ種でも枝先によって、あるいは太陽の射し込む角度や風の影響、様々な条件で形状が異なります。
こちらも被写界深度を稼ぐために上からレンズを下に向けています。
最近めっきり目にすることが少なくなったネジバナが駐車場の芝生に咲きました。
花の形態は、直立する茎に捩れながら上へと咲くピンク色の小さな花が幾つも着きます。
その特徴を最大に生かして撮影しています。
1枚目は、緑色の芝生を背景に、花が浮き立つようにカメラアングルを設定しました。

2枚目はネジバナの背景を、ピンク色のヒメマツバギク8本ほどをボカして同一画面に捉えています。

このときは画面の中が邪魔にならない程度に、ヒメマツバギクを配置することがコツです。
このような場合は、ネジバナとヒメマツバギクの距離が離れていた方が、ボケ味を醸し出すことが有利でしょう。
さらにレンズの絞り(被写界深度を調整する機構)を開放(数字の少ない方)に設定した方がボケの効果は強くなります。
今回は、レンズを下へ向ける被写体を紹介してみました。
最後の1枚は、レンズを上に向けた写真です。

モミジの一枝を、太陽光線に透かせるように、青空を泳ぐ雲をパックに構図を決めています。
こちらは印象的な数枚の葉にピントを合わせ、後の葉はピントから外しています。
直線的な枝とモミジ独特の葉の形を、やわらかな雲をパックに強調させ、フォトジェニックな瑞々しさを表現しようと試みた1枚です。
このように写真は、家族の記念写真のように成長やイベントなどの記録ばかりか、
撮影する作者の心を反映させる作品へと昇華させることも可能なのです。
今回紹介させていただきました写真は、作品とはほど遠い存在であることは、いうまでもありません。
けれども写真とはそういう力を秘めた媒体であることを、知ってほしいとおもいます。
この夏、お気に入りのカメラを片手に、あなたも写真を創ってみませんか。
長谷アルプスフォトギャラリーからの提案でした。
向暑の折、皆様にはぜひご自愛ください。
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