御岳山麓をカメラ片手に散策

御岳山麓を取材

2010年5月28日(金)、御岳山麓へと向かった。
八ヶ岳の東麓をめぐろうと早朝、長谷アルプスフォトギャラリーを発ったが、高遠町に出ると、中央アルプスの峰々が視野に飛び込んだ。
赤信号で車を止めている間に、『大気がこれほどクリアーな日は珍しい』、と感じた私は、予定を変更したのだった。

権兵衛トンネルを抜け、19号線に合流して南下、木曽町福島から木曽川を渡って361号線を西へと進む。その途中から旧道の地蔵峠へと迂回し、展望ポイントを目指した。

直感は的中し、30年来、初めてといっても過言ではないほど、見事な霊峰御岳が目の前に座っていた。
3000㍍を越す山頂部は白銀の冠を乗せ、中景に望む山稜は、萌える若葉をまとった木々が目に鮮やかな色彩を放っている。
まさに、ため息が漏れる瞬間だった。

持参した脚立の上に立ち、カメラのファインダーを覗く。
慎重に構図を創りシャッターを切る。
抜けの良い空気の中、御岳はすぐ近くに見え、幾度となくシャッターを切った私は、大きな成果を得て、開田地区の中心街へ下り、九蔵峠へと車を走らせた。

峠までの区間、御岳側の木立は松の木などが切られ、展望に配慮した痕跡が随所に見られた。御岳を拝する目的の観光客には、御岳を望む山岳展望がありがたい。

ひときわ車道が広くなって、駐車スペースが現れた。
すでに先客がいて、中年の女性が絵を描いていた。
邪魔しないよう、シラカバの木立を前景に御岳を作画。そして一段降りて、展望東屋の前から新緑の木々と御岳を捉えた。

若葉と残雪映える霊峰御岳
                           若葉と残雪映える霊峰御岳


ここまでは車中で考えた予定通りの行動だった。

好天がさらに続く兆しだったので、いままでのポイントとは異なるアングルを求めて、三岳地区へと車を走らせた。

結局、御岳を背景に風景写真を捉える場所は見つからず、撮影を半ばあきらめて長野県道20号線と256号線が交差する付近の公園で、休憩をとった。

緑の芝生が広大に開けた園内には、小高い人工的に造られた丘があり、その上に巨大な球体石彫が建ち、「太陽の丘」と名づけられていた。
その天空には、長さ数百㍍に及ぶワイヤーが架けられ、鯉幟が数多く結ばれ、風が来ると青空をいっせいに泳いだ。

また藤棚には、今を盛りにフジの紫色の花が咲き競っていて、その甘い香りに誘われるままに遊歩道を進んだ。藤棚のトンネルを潜って遊歩道は続いた。
その先に、あたかも御岳から飛んできた噴火を連想させるかのように、大きな溶岩が配置され、一角には滝があって飛沫の帯が美しかった。

人工的に造られた公園ではあったが、はるか背後に霊峰御岳がわずかながら顔を出す光景に、私はすっかり気をよくしてカメラを構えた。

普段、鯉幟や公園といった、人間が意図的に作ったものを撮影することはなかった。
けれどもこのときだけは、夢中になってシャッターを押していた。

今年の前半を振り返ってみると、随分と公園を訪ねたし、御柱大祭などイベントにも参加したことも少なくない。

人間とは元来、いつもと違うことを繰り返すと案外、順応する力が身につくのかもしれない。
などと考え、苦笑しながらふたたび車に乗った。

国道19号線に近くなると、中央アルプスの山並みが残雪を抱いて徐々に近づいてきた。

王滝川を堰き止め出現したダム湖、その左岸を走る辺りからは、木曽からもっとも立派に見える三ノ沢岳がどっしりと座って見え、おもわず車を止めて湖畔に下りる。

若葉の木立の後ろに満々と水を湛えた湖面が、さらにその背後に残雪模様をまとった三ノ沢岳が、小気味良い風景を展開する、絵になる光景がそこにはあった。

若葉彩る残雪の三ノ沢岳
                 王滝川のダム湖畔から新緑の森と中央アルプス・三ノ沢岳
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

Alps Photo Gallery

Author:Alps Photo Gallery
たくましく生きる者の姿を。
厳かにして優しい大自然の表情を。
山岳写真家津野祐次と長谷アルプスフォトギャラリーのスタッフが綴る信州伊那市長谷にある、長谷アルプスフォトギャラリーの日記です!

カテゴリ
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
フリーエリア
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
検索フォーム