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No.474 初夏風景の作画

5月10日(雨〜曇)

皆様こんにちは。
国内の地域によっては、経済活動の緩和が少し進み、ほんのわずか日常生活が戻る気配を感じるこの頃となりました。

大都市を中心に今月いっぱいは、人との接触を8割減らす要請の中、じっと我慢の日々が続いておられると思います。

さて、皆様にはお部屋にこもったり、屋外で近くを散歩したりということが多い日常かと存じます。

そこで、スマートホンを使ったり、あるいは小型デジカメを片手に、目に付いた風景を収めるのも楽しいものです。

今回は大変失礼かと思いますが、私が風景を前にしてどのように風景写真を組み立てて構図を作るか、今月に入って撮影した写真をテキストに、皆様と一緒に考えてみたいと思います。


花咲くリンゴと残雪の中央アルプス
花咲くリンゴと残雪の中央アルプス
雲ひとつない澄み渡った青空に凛として咲くリンゴの可憐な花。
古木の枝ぶりの好い木を選び、青空に背伸びするような構図を決めました。
白い花を生かすように、大地に生え始めた緑色の草地を背景にできるように、
うまく収まるカメラポジションを構えています。



青空に湧く高層雲と残雪の御嶽山
青空に湧く高層雲と残雪の御嶽山
2000メートル近い峠に立ち、碧空に聳える霊峰御岳山を作画。
青空に残雪の山岳を捉えてもいいですが、個性が乏しくなります。
そこで、雲の湧き上がるチャンスを待ちました。独立峰なので、
雲が出現するチャンスは比較的に多く、気長に待つことにしました。
画面をシンプルにするため、御岳山と湧き上がる雲だけに絞って、
構図を作っています。



芽吹く落葉松林と残雪の御岳山を彩る雲
芽吹く落葉松林と残雪の御岳山を彩る雲
こちらは上の写真と同地点で撮影。季節感を表現するために上より、
広く画面構成しています。人工的に植林した落葉松林の並び立つ、
幾何学模様と萌える若葉の色彩が初夏をイメージさせてくれます。



麦畑に浮かぶ残雪の中央アルプスと雲
麦畑に浮かぶ残雪の中央アルプスと雲
長野県飯島町は中央アルプスの扇状地に位置します。水田を主に、
麦や果樹の栽培が盛んな地です。麦の穂が集まる麦畑は造形的で、
色彩も瑞々しいので、穂が出始めると被写体として利用します。
残雪が映える中央アルプスの向こうから雲が湧き上がってくるのを待ち、
麦畑に浮かぶ中央アルプスと組み立てています。雲のある風景は、
見慣れた風景を一変させてくれる名脇役となってくれます。
ただし、雲ならなんでもいいというわけではなく、造形的であること、
これが重要な観点です。形が良ければ良いほど、出来上がった写真に
強い個性を与えてくれます。



南アルプスを彩る雲と白樺-①
南アルプスを彩る雲と白樺-①
伊那市の西側高台から南アルプスを狙っています。南アルプスは
日本アルプスの中では最大であり一番高い山脈。南北全て収めるには、
前景の工夫と上空に湧き上がる雲などを配置させる構図が、重要な
ポイントとなります。もちろん。かなりワイドな写真にする手もあります。
ここでは南アルプスの上空に湧き上がる雲を積極的に組み立ててみました。
山脈の左から右の上空へ斜めに刷毛で払ったような雲の出現を利用。
左に雲と、右に左上へと伸びる白樺を配置させています。雲と白樺を
交差させて構図を組み立てたのです。そのことで、自然に雲に目線が
行くように意図して作画しています。



南アルプスを彩る雲と白樺-②
南アルプスを彩る雲と白樺-②
こちらは上の写真とは反対に、左に白樺を配置、しかも右上に伸びるような
白樺を探し、それを利用しています。画面内のほとんど全てを右上がりの斜線で
構成しています。人間は円を描くとき、左から右に向かって円を描くので、
右上がりの斜線は、見る人に強いインパクトを与えます。
造形心理学でもそれは証明されています。このように、ものの形を追求するのも、
写真を組み立てる上では、必要不可欠な要素となるのではないでしょうか。



天竜川と残雪の中央アルプス
天竜川と残雪の中央アルプス
雲は水の三態のひとつです。水のある風景は見る人に潤いを
与えてくれます。しかし清流は絶えず流れていますので、
当たり前にシャッターを切ったのでは、水の流れは止まって
描写されます。流動感を表現するには、シャッター速度の調整が、
大切なボイントとなります。この写真は1/13秒、人間の目で見た
流れよりもほんの少しだけ遅く活写しています。
私たちは個人差はありますが、1/15秒で見ているようです。
それは残像現象と密接な関係にあるようです。



陽光に輝く清流の揺らぎ
要綱に輝く清流の揺らぎ
こちらは清流の穏やかな流れに陽光が逆光気味に射し込む流面を
微視的に捉えています。シャッター速度は1/40秒と少しだけ早くしています。
揺らぎを表現したいので、わずかにブレた揺らぎ感を意図して描写しました。

このように意図して機材をコントロールし、表現にあった写真を
創れるように私は心がけています。皆さんはいかがですか。
出会った被写体をどのように風景写真として表現するか、
撮影からPCワークに至るまで、一貫した作者の思いを具現化する
努力が大切ではないかと私は考えています。

皆様もどうか写真を作ることを楽しみ、写真人生を豊かにお過ごしくださることを願っております。






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Alps Photo Gallery

Author:Alps Photo Gallery
たくましく生きる者の姿を。
厳かにして優しい大自然の表情を。
山岳写真家津野祐次と長谷アルプスフォトギャラリーのスタッフが綴る信州伊那市長谷にある、長谷アルプスフォトギャラリーの日記です!

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