ギャラリーからの便り・3

2010年7月21日(水)。
久しぶりに私は長谷アルプスフォトギャラリーの一角に間借りする、事務所で様々な仕事をこなしています。

デジタルカメラで昨年の夏から今春にかけて撮影した画像の中から、お気に入りの写真を5枚厳選し、大型用紙に印刷しています。

画像を処理する専門のパソコンを使い、画像の色調や濃度、印刷する大きさに整え、プリンターへ指示するもう一台のパソコンへ画像を転送して出力します。

写真家は撮影したときの状況を自身の目で見ていますから、それをもとに撮影機材をコントロールし、表現意図に合わせて写真を創ります。

パソコンワークと大型プリンターを駆使して、実際の風景を自身が表現したいように画像を用紙に定着させるのです。

撮影から現像、プリントにいたるまで作者が一貫して製作することができるシステムは、写真家にとってこれほどありがたいことはありません。

写真の世界は近年、大きな転換期を迎え、銀塩フィルムを使ったアナログカメラから、いまやデジタルカメラの時代へと急速に変化を遂げています。

それに伴い、さまざまなメディアも登場。
デジタル処理による印画紙の種類はアナログカメラの比ではなく、圧倒的に種が豊富です。

例えば光沢紙、半光沢紙、マット紙がありますが、それぞれの中間に当たる用紙もあり、ベースとなる厚さも様々です。
いまでは当たり前となった絹目調、あるいは画材用紙、プレミアムマット紙などもあり、20種を超えるラインナップが用意されています。


写真の歴史は、それほど長くはありません。最初は銀板に画像を定着させ、次いでガラス板に薬品を塗って、それが乾く前に撮影し、現像したそのガラス板が写真だったのです。
つまりそのガラス板の裏側に黒い紙を貼り、まるで鏡のような写真であったのです。
これをガラス湿板といいます。
その次に登場したのが、薬品を塗ったものが乾いても撮影できる、ガラス乾板でした。
さらにガラスに変わり、セルロイド製のフィルムへと変化します。

また最初はガラス自体が写真でしたが、印画紙が発明され、レンズで引き伸ばすことが可能になります。

けれどもガラスで出発した写真ですから、印画紙上にいかに光沢の画像を定着させるかに研究対象が絞られ、平面な印画紙を作ることにあくなき探求を余儀なくされてきました。

近年になって、デジタルカメラの普及とともに、無光沢な用紙が用意されたのです。

考えてみますと、私たち人間が実際の風景を観るとき、草や木がテカテカ光ってはいません。

光沢の写真を観るとき、見る人が写真に写りこんでしまい、見にくいときがあります。あるいは印画紙に反射してほかのものが写りこんでしまい、写真をじっくり鑑賞できないジレンマもときとしてあります。

光沢紙はこのようにデメリットも多く抱えているのではないでしょうか。

私は、それらをクリアーするためと、実際の風景に近い状態で、写真を鑑賞してほしい願いから、光沢のないマット紙に画像を定着させています。


今、ギャラリー日記を綴っている間も、大型プリンターが「シュルシュル」音を立て、写真を出力しています。
時計の針は午後7時を回りました。

窓から見える空に浮かぶ雲が朱色に焼け、幻想的に染まっています。

ギャラリーの合歓の花と夕焼け雲
ギャラリーに咲く合歓の花と夕雲


建物の西側には合歓の木が1本立っていて、見事に花を咲かせています。

ギャラリーの合歓の花
ギャラリーの西側に咲く合歓。展望ルームから見えます



2010年7月22日(木)。

今日も、撮影に出かけることができず、昨日に続くプリント作業をしています。

午前11時、お客さんが横浜からお訪ねくださいました。

なんと昨年の秋、山のかなたへ旅立たれた写真家・中山秀幸さんの写真ファンという女性でした。

長谷の入野谷という日帰り入浴できるホテルに宿泊した際、中山さんの写真に触れ、中山さんにお願いして横浜で個展を開催したといいます。

その女性は、パートナーの男性と2人で来館してくださり、しばらくしてから

『クリスタルボウルの演奏をしてもいいですか?』
と、語りました。

私はもちろん承諾し、演奏を拝聴させていただくことができました。

クリスタルボールの演奏・生明葉子さん
横浜から来られたクリスタルボウルの演奏者


了解を得て、演奏の姿を写真に収めることもできました。


アメリカ製のクリスタルボウルという楽器は、まだ歴史は10年ほどといい。日本に演奏者はそれほど多くいないとのことです。

ギャラリーの建築構造と、壁面に展示した写真群を気に入ってくださり、
なんとも形容しがたい音色のソロ演奏を聴かせてくれました。

海中のイルカやクジラが会話するテレパシー音…。

巨大なクレパスのきしむ音…。

あるいは洞窟の中で雫の落水音が反響する音…。

2つの大きさが異なる楽器を使い分け、静かに、柔らかなバチでそっと叩いたり、外側を擦って振動させたり、同時に信幅させ、倍音と倍音を重ねて不協和音をだしたり、あるいは絶妙なハーモニーを奏でたりしました。

クライマックスは、神々がまるで会話しているような錯覚さえ感じてしまいました。

長野県の特に南信州や、雄大なアルプス、その大自然が大好きと、
彼女は言っておられました。

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ありがとうございました

突然の訪問を、とても暖かく迎えてくださって、
ありがとうございました。

そして、突然の演奏も快諾してくださり、
感謝いたします。

中山さんのご縁で、素晴らしいギャラリーで演奏できて、
嬉しかったです。

写真とクリスタルボウルの共演、
実現させたいですね。
お声、かけてください!




プロフィール

Alps Photo Gallery

Author:Alps Photo Gallery
たくましく生きる者の姿を。
厳かにして優しい大自然の表情を。
山岳写真家津野祐次と長谷アルプスフォトギャラリーのスタッフが綴る信州伊那市長谷にある、長谷アルプスフォトギャラリーの日記です!

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