霊峰富士を取り囲む三国山と明神山に登拝しました

8月16日に長野、群馬県境の荒船山に登った私は、山梨県の山中湖畔に宿を取り、翌17日、平野の集落から三国峠へと車で向かいました。

三国峠は名のごとく、山梨県、静岡県、神奈川県の境をなす山。

峠の登山口から山頂を目指し、歩を進めました。

一歩山の中へ入ると、うっそうとしたクマザサ茂るブナの巨木の森が広がっていて、その中を登りました。

踏み跡はあちこちにあり、自分にあったコースを選びながら登れるのが嬉しかった。
それだけ多くの人が入山したのだろうと想像できました。

三国山への登山道
三国山への登山道


ブナの根っこが張り出た区間を過ぎると斜度は増し、山頂付近からはふたたび斜度が落ちました。

山頂のベンチに腰掛けて、主稜を渡る風に身を任せて涼をとっていたときのこと。

『こんにちは』

50歳そこそこの男性が籠坂峠方面から登ってきて、明るい声で挨拶してくれました。

『どのコースを登られたのですか?』

そのように尋ねますと『籠坂峠から入りました』。

『3時間ほどかかりましたね!』と、問いますと、

『いや、1時間30分の行程でした』と、回答。

『早いですね…』讃美の言葉をさらに告げました。


それからその男性は、持参した食べ物と飲み物を取り出し、休憩を楽しんでおられました。

私は、カメラをブナの森に向け、撮影に没頭しました。

ブナの巨木
ブナの巨木を根元から上を見上げた光景


ブナの幹
ブナの幹


15分ほど過ぎたころ、
『お先に!』の言葉を残してその男性は往路を下ってゆきました。

『お気をつけて!』と、私は見送りました。

さらに10分も撮影したでしょうか。

シャツを取りにベンチにもどると、栄養補給剤とソーセージが一個ずつ置いてありました。

私は急いで下っていった方向へ『ありがとうございます』と、
感謝の言葉を捧げました。

しかし、すでに森のかなたへと消えたその人に、声が届くはずもなく、ありがとうを心の中で復唱しました。

本物の山男に久しぶりに会ったような気がしました。

無言で、山頂に居合わせた見ず知らずの人に、人間としてあるべき姿を見せてくれたその姿勢に、山ならではの人間愛がみえたのです。


登山口へと下り、こんどは峠の反対側の明神山へ登りました。

森の中のコースはほんの少しの距離で、あとは明るいススキの草原をゆるやかに登りました。

路面は極端に乾燥し、ザレザレの地表にスニーカーの足跡を刻み、途中から急坂となって、滑りやすい斜面を慎重に登りました。

飛び出た山頂は広い丘といった印象。

その中ほどに、石製の立派な山中諏訪神社奥宮の祠が奉られ、地元民の深い信仰心をうかがい知ることができました。

山頂からは北側に山中湖が鳥瞰でき、霊峰富士は雲の中に隠れて見えませんでした。

明星山の山頂から山中湖を望む
明神山の山頂から山中湖を望む

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たくましく生きる者の姿を。
厳かにして優しい大自然の表情を。
山岳写真家津野祐次と長谷アルプスフォトギャラリーのスタッフが綴る信州伊那市長谷にある、長谷アルプスフォトギャラリーの日記です!

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