会津若松をカメラ紀行

鶴ヶ城
                                蒲生氏郷が城作りした野面積の石垣

8月8日~9日の両日、会津地方へ取材に行ってきました。

まず訪れたのは、過去何回となく通った会津若松城(鶴ヶ城)。
私にとって、会津若松は思い出深い地です。

若松市中心街の一角を占める若松城の桜や紅葉、坂下・若松の仏都巡り、あるいは猪苗代
から裏磐梯、喜多方、米沢など、東京にある湘南企画という会社の代表取締役Kさんとの
ご縁で、取材にずいぶん通ったものです。

2006年の4月、若松城の敷地内に建つ天守閣と隣接する福島県立博物館をお訪ねした時、
博物館を囲むように植樹された桜が満開を迎えていました。

天守閣周辺にはソメイヨシノが純白の花を咲かせているのに対し、博物館の桜はピンク色の
濃い真紅の桜花であったため、びっくりしました。

そこで、学芸員の方に尋ねました。

すると「信州の高遠からわざわざ苗木を運んで植えてくれたのですよ。」
そのように教えてくれました。

「私は、その高遠に隣接する長谷村から取材に来ました。」と間髪いれずに言いました。

そのご縁から、学芸員の方と打ち解けたお話ができ、ご教導を賜ることができました。

そもそも会津若松は、信長から秀吉へと続いた戦国の世を、波乱のうちに生き抜いた
戦国の名将・蒲生氏郷が築いたといわれます。

それまでは会津黒川と呼ばれ、武士や町人、そして農民が混在する、湾曲する狭い道
ばかりの城下町だったといいます。

それを氏郷は、故郷の近江国蒲生郡若松の森にならって、名を若松と改めました。

そればかりではなく七層の天守閣を持つ奥羽最大の巨城を築き、町の区画整備を施し、
東北一の商業都市を形成したのです。

氏郷は40歳でこの世を去りますが、会津藩主であったわずか4年8ヶ月で、会津藩の
開祖と呼ばれるだけの仕事をやってのけた人物です。

晩年は激務に明け暮れる日々を過ごしたに違いありませんが、文武両道に優れた
氏郷は、こんな一面も持っています。

氏郷は、堺の商人・千利休に茶の湯の道を習い、後に細川忠興、高山右近、古田織部
らと共に「利休七哲」の一人に挙げられる茶人となりました。

秀吉の怒りをかった利休は、秀吉の命によって自決します。

利休には二人の息子がいて、長男の道庵は細川忠興が、娘婿の少庵は氏郷が
庇護しました。

少庵を若松へ連れ帰った氏郷は、その後、何回も秀吉に嘆願し、やっとのことで少庵は
許され京都に戻ります。

そしてその後、少庵は見事に千家の再興を果たすことになります。それが現在の表千家・
裏千家・武者小路千家の基礎となったのでしょう。

現在の若松城本丸にある「麟閣」は、氏郷と少庵ゆかりの茶室といわれ、いまもその
面影が色濃く残っています。

麟閣内部・2 若松城内にある、蒲生氏郷と千少庵ゆかりの茶室・麟閣


天守閣の周辺を巡った私は、氏郷や少庵に思いをはせ麟閣に立ち寄りました。

門をくぐり緑の木々をすり抜け、苔むす道を踏んで、「わび」の世界を髣髴とさせる茶室を
ぐるり回りました。

天守閣の建つ周囲は広大な広場で、その上、砂利を敷き詰めた路面のため、じんわり額と
背中に汗をかきました。

しかし麟閣の敷地内は別世界。緑豊かな木立が小気味よく植えられ、その中は
ひんやりするほど爽やかな清涼を感じました。

ふさふさの分厚い苔むす庭園と、松の間をすり抜ける涼風がなんとも心地よく、立ち去る
のをためらっていると、抹茶を楽しむ一室が目に飛び込みました。

一室といっても、簡素な壁と屋根のある空間といった趣…。私の足は自然とそちらへ向き、

懐紙に乗った白い小さな饅頭一個をいただき、薄茶を堪能しました。

普通は苦味が気になるものですが、この抹茶は、ほんのり苦味が残るものの、甘さと
茶葉の香りたつ逸品でした。


その後は、渋川問屋と呼ばれる老舗に立ち寄り、会津伝統の郷土料理を楽しみ、会津
三観音を巡りました。

会津の仏教文化は平安時代にまでさかのぼります。
一人の高僧・徳一の礎が見事に花開き、京都、奈良、鎌倉、平泉と並び称される
仏都会津へと育まれてきました。

これらは会津、坂下地方などの人々によって千年の時空を超え受け継がれてきた
のでしょう。

厚い信仰心が息づく会津地方には、史跡慧日寺跡、新宮熊野神社長床、勝常寺、
願成寺など見るべき神社仏閣が数多くあります。

宿泊をはさんで会津地方を取材した私は、強い降雨を追い駆けるように、濡れた路面の
自動車道をひた走って、長谷アルプスフォトギャラリーへと帰り着きました。


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Author:Alps Photo Gallery
たくましく生きる者の姿を。
厳かにして優しい大自然の表情を。
山岳写真家津野祐次と長谷アルプスフォトギャラリーのスタッフが綴る信州伊那市長谷にある、長谷アルプスフォトギャラリーの日記です!

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